【IR担当者必見】決算説明会資料の作成方法とは? 作成の手順とポイントを紹介
投資家との対話は企業にとって不可欠です。この記事では、効果的な説明会資料を作成するための基本的なステップ、説得力のあるデータの提示方法、ストーリーテリングの技術、そしてフィードバックの活用方法に焦点を当ててまいります。
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IR資料の役割とその重要性
IR(Investor Relations)資料は、企業が株主や投資家に対して、自社の財務状況、経営戦略、市場の位置付けなどを伝えるための重要なコミュニケーションツールです。IR資料は、四半期での決算開示はもちろん、中長期的な戦略を示す上で必要不可欠です。例えば、統合報告書や決算説明会資料、中期経営計画資料など、様々な場面で作成されます。ここでは、決算説明資料にフォーカスして、制作のポイントをお伝えします。
▼統合報告書について詳しくはこちら
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近年の決算説明会資料
近年の決算説明資料では、単に財務情報を提供するだけでなく、企業の持続可能性(サステナビリティ)や、将来の成長戦略に関する情報を開示する必要があります。さらに、日本国内だけでなく、海外投資家に向けても国内と同様の情報開示が求められており、和文版を開示後、可能な限り同時性をもった英訳版の開示が重要です。
このように、決算説明資料は単なる財務報告ではなく、企業が投資家とのより良い対話を行うための大切なツールとなっています。
決算説明資料作成の基本原則
決算説明資料作成のための基本原則は、明瞭さ、正確さ、及び関連性の確保です。まず、情報は明確で理解しやすい言葉で提示されるべきです。専門用語の使用をする場合は注釈をつけ、可能な限りわかりやすく事業環境や業績について伝えることが重要です。
次に、開示される情報は正確で最新のものでなければなりません。誤解を招く情報やデータは、投資家の信頼を損なったり、誤った伝わり方をする原因となります。
特に業績報告に関してはできるだけ毎回同じフォーマットを使用することで、読みやすく、わかりやすい資料となります。
最後に、開示する情報は財務状況、経営戦略、市場動向など、投資家が最も関心を持つであろうトピックに焦点を当てることが肝要です。投資家との対話によって開示内容をブラッシュアップしていきましょう。
読者を惹きつけるデザインの要素
決算説明資料のデザインは、決算短信だけでは伝えきれないデータや、データの背景にある事業の環境や状況を伝えるのに重要な役割を持ちます。適切かつ自社ガイドラインに沿ったフォントの選択、色の使い方、そしてレイアウトによって、より資料が読みやすくなります。重要な情報は太字や色を使って強調することが効果的です。
また、グラフやチャートを用いて複雑なデータを視覚的に表現し、情報の理解を促進することも重要です。
データとストーリーのバランスが重要
決算説明資料を作成する際には、データとストーリーのバランスが重要です。どちらかに偏っても、内容が適切に伝わらないものになってしまいます。そのため、以下のような観点を持って資料の構成や内容を検討しましょう。
効果的なデータの提示方法
決算説明資料において決算数値は根幹をなす要素です。適切なフォーマットで決算数値を説明することで、投資家への情報の透明性と信頼性を高め、理解の促進につながります。
また、データは文脈の中で提示することで、その意味をより明確に伝えることができます。適切なベンチマークや時系列分析を用いて、データが示すトレンドやパターンを強調することも有効です。さらに、外部環境や市場動向などを伝える際には、データの出典を明確にし、信頼性を確保しましょう。
ストーリーテリングの重要性と技術
決算説明資料におけるストーリーテリングは、なぜそのような決算となったのか、投資家に説明することです。、単なる事実の羅列ではなく、企業のビジョンや中期経営計画をふまえて、今期の決算を経営としてどのように認識しているのか、来期以降はどのように予測しているかなど、数値だけでは伝えきれない企業としての戦略や考え方を伝える手段となります。
フィードバックを活用する重要性
決算説明資料の作成において、投資家からのフィードバックは極めて重要です。フィードバックは、資料が投資家のニーズに適切に応えているか、またはどの部分が改善を要するかを認識するための鍵となります。
投資家との対話において得られる質の高いフィードバックは、企業のコミュニケーション戦略の精度を高め、ステークホルダーとの関係構築において大変重要な意味を持ちます。投資家からのフィードバックや対話を適切に経営陣に伝え、さらなる開示のブラッシュアップを促し、PDCAサイクルをまわすことで投資家との信頼関係を築くことが可能となります。
決算説明資料の作成ステップ
決算説明資料作成のプロセスは、企業の独自性とそのストーリーを反映させることが重要です。フレームワークに囚われず、企業が真に伝えたいメッセージを整理し反映させましょう。
目的とメッセージの明確化
まず、何を伝えたいのか、どのような目的を持って決算説明資料を作成するのかを明確にします。時には四半期の決算報告だけでなく、企業のミッション、ビジョン、独自の価値観を伝えることで、企業の戦略や方針をステークホルダーに理解してもらうことも重要となります。
重要情報の収集と整理
財務データ、市場分析、業績のハイライトなど、伝えるべき重要な情報を収集し整理します。時には経理・財務などの部署との連携も重要となります。
デザインとレイアウトの決定
視覚的要素がストーリーをサポートするようにデザインとレイアウトを決定します。読みやすく、情報が明確に伝わるレイアウトを選び、グラフやイメージを効果的に使用します。
レビューの取り入れ
資料を内部レビューし、必要に応じて外部の専門家からのフィードバックを求めます。この段階で内容の精度、メッセージの明確さ、全体の説得力を確認します。
最終調整と公開
レビューとフィードバックを基に最終的な調整を行い、資料を完成させます。その後、IRサイトなどの適切なチャネルを通じて資料を開示します。また、英文版についてもできるだけ同時性をもって開示することが求められています。
対話とフィードバック
決算説明資料は作っておわりではありません。投資家との対話からフィードバックを受け、適切に経営陣に伝えたうえで、さらなる開示に活かしていきましょう。
決算説明会ならリンクコーポレイトコミュニケーションズ
決算発表などのIR イベントをきっかけに投資家との対話を実現したい
コロナ禍がきっかけとなり、オンラインでのコミュニケーションが急速に発展した中で決算説明会の在り方も大きく変わり、投資家をはじめ企業側も場所に縛られずに参加できるようになり、投資家側が多くの企業の説明会に参加できるようになりました。また、個人投資家もこれまでに比べてより気軽に説明会に参加することが可能になり、企業と投資家の対話を実現する意味で大きなプラスの変化をもたらしました。
一方で様々な開催手法が登場したり、企業によっては経営サイドが複数言語の場合があるなど説明会を開催そのものが複雑性を増してしまったのも事実です。私たちリンクコーポレイトコミュニケーションズは企業の皆様が本来力を発揮するべき投資家との実り多い対話を実現できるようにご支援をしてまいりたいと考えております。
コロナ禍を経過しIRイベントの開催方法は個社ごとの複雑性が増しています
コロナ禍以前は決算説明会などのIRイベントの開催方法は「会場開催」か「電話会議開催」の 2 択しかありませんでしたが、2020年 3 月以降は電話会議やオンライン開催が主流になりました。その後オンライン開催にもさまざまな手法が登場し、会場開催の復活を契機にオンライン開催を並行実施する「ハイブリット開催」の数も大きく増加してきています。また、22 年には大手電話会議ベンダーの事業撤退をきっかけに、電話会議から Web 会議ツールに移行が進んでいます。
開催方法の選択肢が複雑多様となるに従い、本来決算説明などIRイベントにおいて重視すべき「投資家との対話」や「そのための発信内容の策定」よりも、「どうやって開催するか」という課題が
IR 担当者にかかるようになってしまいました。当社は決算発表などの機会を活用して投資家との対話を重ねる という 本来IR担当者が注力すべきポイントに集中いただけるように説明会開催のサポート を行ってまいります。
リンクコーポレイトコミュニケーションズのIR 説明会ご支援のポイント
私たちは専門性をもって発行体企業の皆様が『 安定して投資家と対話できる機会の創出 』 に貢献しています。
ポイント |
弊社特徴 |
IRイベントにおける専門性 |
過去20 年以上決算説明会に携わり、 IR における対話の機会をサポートする専門的な集団です。
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「必ず実施する」 |
『デジタル 』 な領域に「絶対」はありません。 だからこそツールの特性を活かしながら、常にバックアップを想定します。
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突然の仕様変更にも |
感染状況の影響で急に登壇者がオンラインに変わるといった場合も 代替案をご提案してきました。
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スピーディーな情報公開に対応 |
フェア・ディスクロージャーの観点から 開催後最短3 時間程度で事後配信コンテンツを公開しています。 説明会に参加できない投資家へ向けてなるべく早く動画を配信したいというご要望にお応えするため、説明会会場で動画編集を開始するなどの体制を構築しております。 |
2021年 9 月よりオンライン開催(ライブ配信・ Web 会議)などにもご利用いただけるスタジオも設置しました。
まとめ
決算説明資料作成においては、標準的なフレームワークや一般的な形式に囚われ過ぎることなく、自社の独自のストーリーを語ることが重要です。この取り組みにより、企業は単なる数字の羅列を超え、投資家に深い印象を与えることができます。自社の強み、成果、展望を独自の視点で展開し、投資家が企業の真の価値を理解しやすくすることが、決算説明資料作成の鍵となります。
決算説明資料作成についてよくある質問
決算説明資料の主な目的は何ですか?
決算説明資料の主な目的は、投資家や株主に対して、企業の財務状況、事業戦略、市場環境、将来の成長見込みなどを明確かつ効果的に伝えることです。これにより、企業は透明性を高め、投資家との信頼を構築し、企業価値の正確な理解と評価を促進することができます。また、決算説明資料は企業のパフォーマンスと将来のビジョンを示す重要な手段であり、投資家とのコミュニケーションを強化し、長期的な投資関係を築くための大切なツールです。
効果的な決算説明資料にはどのような要素が含まれるべきですか?
効果的な決算説明資料には、以下の要素が含まれるべきです。
まず、正確で最新の財務データと業績指標が不可欠です。これに加え、企業の戦略、市場の位置付け、競争環境の分析が重要です。
次に、視覚的要素(グラフ、チャート、インフォグラフィック)を用いて、複雑なデータやトレンドをわかりやすく表現することが効果的です。さらに、企業のビジョンと将来の展望を明確に伝えることで、投資家に企業の長期的な価値を理解させることができます。
決算説明資料作成時に最も注意すべき点は何ですか?
決算説明資料を作成する際に最も注意すべき点は、透明性と公平性です。また、開示される情報は正確で最新のものでなければなりません。誤解を招く情報やデータは、投資家の信頼を損なったり、ステークホルダーに誤った伝わり方をする原因となります。
特に業績報告に関してはできるだけ毎回同じフォーマットで報告することで、読みやすく、わかりやすい資料となります。また、資料は明確かつ簡潔に情報を伝えるべきであり、過度に専門用語を使用することは避けるべきです。
専門用語を使用する場合は、注釈や用語集をつけるなど、はじめて読む投資家にも配慮しましょう。