【IR担当者必見】オンライン決算説明会のポイント|動画配信の注意点やサービスの選び方
目次[非表示]
現代の決算説明会は、動画配信サービスを通じて新たな地平を開いています。この記事では、動画配信による決算説明会の効果的な進行方法、配信サービスの選定ポイント、および配信後のフォローアップについて詳細に解説します。これらの知識を活用し、効率的かつインパクトのある決算説明会を実現しましょう。
決算説明会の変化
決算説明会は、企業がその財務状況やビジネス戦略を株主や投資家に伝える重要な機会です。この決算説明会での動画配信の活用は、近年特に重要性を増しています。動画を通じて決算情報を発信することで、より広い範囲のステークホルダーに対し、直接的かつ効果的に企業情報を届けることができます。
▼決算説明会について詳しくはこちら
動画配信のメリット
動画配信は地理的な制約を軽減し、世界中の投資家や株主が同じ条件で情報を得られるようにする点でも価値があります。これにより、フェア・ディスクロージャー・ルールにのっとり、企業の透明性の向上や株主との信頼関係を強化することができます。さらに、録画された動画は後からでも視聴可能にすることで、時間的な制約を受けずに情報を得られるため、リアルタイムで参加することの多い投資家・アナリストだけでなく、より広い投資家の関心を集めることができます。
このように、動画配信は決算説明会において、情報の伝達手段としてだけでなく、企業価値の向上と株主・投資家とのコミュニケーションツールとして、その役割を大きく変えつつあります。
決算説明会の動画配信の種類
決算説明会の動画配信は、主に「ハイブリッド型」「スタジオ配信型」「オンデマンド配信」という三つの主要な形態があります。これらは、それぞれ特有の特徴と利点を持ち、様々なタイプの説明会に対応しています。
オンデマンド型配信
リアル会場で行われた内容や、ライブ配信された内容を録画し、後からいつでも視聴可能な形式で提供するのがオンデマンド配信です。投資家は自分の都合に合わせて、好きな時間に内容を見ることができます。また、オプションで映像編集、海外投資家に向けた英語版の動画作成などを行い、より高いレベルでの開示も可能です。
ライブオンリー型配信
こちらは、実際の会場に投資家・アナリストを集めることなく、専用スタジオや企業の会議室から直接配信するサービスです。この方式のメリットは、実際の会場のオペレーションを気にすることなくスムーズな配信を実現できる点にあります。参加者はインターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、機関投資家、アナリスト、個人投資家など幅広いオーディエンスをターゲットにすることができます。
ハイブリッド型配信
この形式は、実際の会場での参加者と遠隔地からのオンライン参加者を組み合わせたものです。ライブ配信される決算説明会は、実際の会場でのイベントの雰囲気をオンラインの視聴者にも伝えることができます。この方法の利点は、リアルタイムでの双方向的な参加が可能であること、そして経験豊富なスタッフによるテクニカルサポートがあることです。さらに、ライブ配信後には、録画された内容をアーカイブしてオンデマンド配信することも可能です。
一方で、実際の会場とオンライン参加社との音声トラブルなど、複雑な進行になることも多いため十分な準備と注意が必要です。投資家・アナリストとの対話にフォーカスするためにも、できるだけ専門支援会社に支援を依頼することをおすすめします。
動画配信による決算説明会までの流れ
動画配信による決算説明会を実施するまでの流れは、計画的かつ段階的に進める必要があります。ここでは、そのプロセスを主要なステップに分けて説明します。
目的と形式の決定
目的の明確化
決算説明会の目的を定義します(例:投資家への情報提供、株主との信頼関係強化など)
配信形式の選定
オンデマンド型、ライブオンリー型、ハイブリッド型などから、目的に合った配信形式を選択します。
コンテンツの企画と準備
コンテンツの計画
決算内容、企業の業績、将来の戦略など、配信する内容を決めます。
プレゼンテーション資料の作成を開始します。
司会スクリプトの準備
決算説明会の運営において、スムーズな司会進行は大変重要です。
必要に応じて、スクリプトを準備します。
技術的な準備
配信プラットフォームの選定
配信に使用するプラットフォームやソフトウェアを選定します。
技術チェックとリハーサル
機材の設置、音声・映像のテスト、インターネット接続の確認などを行います。
実際の配信に向けてリハーサルを実施します。
告知と招待
投資家、株主、アナリストなど、対象者に対して配信の告知と招待を行います。配信日時、アクセス方法などの詳細情報を提供します。
実際の配信
ライブ配信の実施
予定通りにライブ配信を開始します。
質疑応答セッションなど、インタラクティブな要素を取り入れることが可能です。
オンデマンド用の録画
ライブ配信を録画し、後でオンデマンド視聴用に提供します。
フォローアップ
録画の編集とアップロード
配信された内容を編集し、アーカイブとしてオンラインにアップロードします。
フィードバックの収集
参加者からのフィードバックを収集し、次回の改善点を検討します。
結果の分析
視聴者数、視聴率、参加者の反応などを分析し、効果を評価します。
動画配信での注意点
動画配信による決算説明会の成功には、いくつかの重要な注意点があります。これらを適切に管理することで、効果的な説明会を実現できます。
技術的な準備とトラブルシューティング
動画配信の技術的な側面は、決算説明会の成功において極めて重要です。特にライブ配信での決算説明会では、高品質の映像と音声、安定したインターネット接続、適切な照明とカメラ設定が必要です。事前に複数回のテスト配信を行い、音声や映像のクオリティを確認することが重要です。また、配信中のトラブルに迅速に対応できるよう、専門支援会社の技術スタッフが常に待機していることが望ましいです。さらに、参加者が配信をスムーズに視聴できるよう、できるだけ簡易的なアクセス方法にするなど、工夫が必要です。
内容の明確さと簡潔性
決算説明会のコンテンツは、参加者にとって明確で理解しやすいものでなければなりません。業界用語など、専門用語の使用は、必要に応じて分かりやすく説明することが重要です。また、プレゼンテーションは簡潔でポイントを絞った内容にすることが望ましく、参加者の注意を引きつけるために、重要なポイントは視覚的な要素(グラフ、チャート、画像など)を用いて強調します。情報の過剰な詰め込みは避け、核となるメッセージに焦点を当てることが肝心です。
参加者とのエンゲージメントを高める
オンラインの環境では、参加者との双方向のコミュニケーションが難しい場合があります。参加者の関心を維持し、エンゲージメントを高めるためには、双方向性を生み出す工夫を取り入れることが重要です。
リアルタイムでの質疑応答セッションを設けることで、投資家・アナリストとの対話を実施しましょう。必要に応じてテキストでのQ&A方式を取り入れつつ、質疑応答はできるだけ実際の声でのやりとりをできるようにすることが望ましいとされます。
▼投資家の感情を可視化する弊社サービスについてはこちら
IR Dialog
動画配信サービスの選び方
動画配信サービスの選定は、決算説明会の成功に大きく影響します。適切なサービスを選ぶための主要なポイントを以下にご紹介します。
信頼性と安定性
動画配信は企業の信頼性を左右するため、信頼できる支援会社を選ぶことが重要です。過去の実績や顧客レビューを参考に、信頼できるサービスを選定します。また、ライブ配信中のトラブルはつきものですので、できる限りのバックアップ方法を持っておくことが重要です。例えば、特定のアプリケーションだけを使用した動画配信では、該当のアプリケーションが決算説明会当日にサービストラブルが発生した際に開催自体が危ぶまれることもあるでしょう。重要な投資家・アナリストとの対話機会を担保できるよう、入念な準備とトラブル対応策を立てることが重要です。
セキュリティとプライバシー
企業情報や参加者の個人情報を保護するため、高度なセキュリティ機能を備えたサービスが必要です。また、特定の参加者のみがアクセスできるように制御できる機能(例:パスワード保護、招待制)があるサービスを選びます。
双方向性のある機能
質疑応答、リアルタイムのフィードバック、チャット機能など、参加者とのインタラクションをサポートする機能が必要です。
決算説明会ならリンクコーポレイトコミュニケーションズ
決算発表などのIR イベントをきっかけに投資家との対話を実現したい
コロナ禍がきっかけとなり、オンラインでのコミュニケーションが急速に発展した中で決算説明会の在り方も大きく変わり、投資家をはじめ企業側も場所に縛られずに参加できるようになり、投資家側が多くの企業の説明会に参加できるようになりました。また、個人投資家もこれまでに比べてより気軽に説明会に参加することが可能になり、企業と投資家の対話を実現する意味で大きなプラスの変化をもたらしました。
一方で様々な開催手法が登場したり、企業によっては経営サイドが複数言語の場合があるなど説明会を開催そのものが複雑性を増してしまったのも事実です。私たちリンクコーポレイトコミュニケーションズは企業の皆様が本来力を発揮するべき投資家との実り多い対話を実現できるようにご支援をしてまいりたいと考えております。
コロナ禍を経過しIR イベントの開催方法は個社ごとの複雑性が増しています
コロナ禍以前は決算説明会などのIR イベントの開催方法は「会場開催」か「電話会議開催」の 2 択しかありませんでしたが、2020年 3 月以降は電話会議やオンライン開催が主流になりました。その後オンライン開催にもさまざまな手法が登場し、会場開催の復活を契機にオンライン開催を並行実施する「ハイブリット開催」の数も大きく増加してきています。また、22 年には大手電話会議ベンダーの事業撤退をきっかけに、電話会議から Web 会議ツールに移行が進んでいます。
開催方法の選択肢が複雑多様となるに従い、本来決算説明などIR イベントにおいて重視すべき「投資家との対話」や「そのための発信内容の策定」よりも、「どうやって開催するか」という課題が
IR 担当者にかかるようになってしまいました。当社は決算発表などの機会を活用して投資家との対話を重ねる という 本来 IR 担当者が注力すべきポイントに集中いただけるように説明会開催のサポート を行ってまいります。
リンクコーポレイトコミュニケーションズのIR 説明会ご支援のポイント
私たちは専門性をもって発行体企業の皆様が『 安定して投資家と対話できる機会の創出 』 に貢献しています。
ポイント |
弊社特徴 |
IRイベントにおける専門性 |
過去20 年以上決算説明会に携わり、 IR における対話の機会をサポートする専門的な集団です。
|
「必ず実施する」 |
『デジタル 』 な領域に「絶対」はありません。 だからこそツールの特性を活かしながら、常にバックアップを想定します。
|
突然の仕様変更にも |
感染状況の影響で急に登壇者がオンラインに変わるといった場合も 代替案をご提案してきました。
|
スピーディーな情報公開に対応 |
フェア・ディスクロージャーの観点から 開催後最短3 時間程度で事後配信コンテンツを公開しています。 説明会に参加できない投資家へ向けてなるべく早く動画を配信したいというご要望にお応えするため、説明会会場で動画編集を開始するなどの体制を構築しております。 |
2021年 9 月よりオンライン開催(ライブ配信・ Web 会議)などにもご利用いただけるスタジオも設置しました。
まとめ
動画配信による決算説明会は、企業と投資家とのコミュニケーションを革新的に変えています。適切なサービスの選定、内容の明確な伝達、そして効果的なフォローアップが成功の鍵です。これらのポイントを抑えることで、投資家とのより良い対話を実現していくことが可能となります。
決算説明会の動画配信についてよくある質問
決算説明会の動画配信サービスを利用するメリットは何ですか?
従来の対面形式の決算説明会では、地理的な制約や時間の問題で参加できない株主や投資家がいましたが、動画配信を利用することで、場所を選ばずに誰もが参加できるようになります。
さらに、リアルタイムのインタラクティブな要素(例:質疑応答)を取り入れることで、株主や投資家・アナリストとの対話を行うことが重要です。
決算説明会の動画配信で重要な機能は何ですか?
決算説明会の動画配信において重要な機能は、高品質な映像と音声の提供、安定したストリーミング、双方向のコミュニケーションサポート、そしてセキュリティです。高解像度の映像とクリアな音声は、情報を正確かつ効果的に伝えるために不可欠です。
また、途切れのない安定したストリーミングは、視聴者の満足度を高めるために重要です。さらに、リアルタイムの質疑応答や投票機能など、双方向コミュニケーションをサポートする機能は、参加者のエンゲージメントを高めるために役立ちます。最後に、特に機密性の高い財務情報を扱うため、データのセキュリティとプライバシー保護は欠かせません。
決算説明会の動画配信における配信後のフォローアップはどのように行うべきですか?
決算説明会の動画配信後のフォローアップは、参加者との関係を維持し、次回のイベントに向けた改善を行うために重要です。配信後は、参加者に対して感謝のメッセージを送り、必要に応じて資料の提供や追加の情報を共有します。
また、アンケートやフィードバックフォームを通じて参加者の意見や提案を収集し、これらのフィードバックを次回の配信の改善に活かします。録画された動画のアーカイブをウェブサイトや専用プラットフォームで提供することで、参加できなかった人々にも情報を届けることができます。さらに、視聴データ(視聴数、視聴時間、参加率など)の分析を行い、配信の効果を評価し、将来の戦略立案に役立てることも重要です。