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企業の社会的責任を高める:人権デュー・デリジェンスのガイド

企業のグローバル化が進む中、人権デュー・デリジェンスはビジネスを行う上で経営上の重要課題となっています。この記事では、人権デュー・デリジェンスの概念、その必要性、そして実施方法に焦点を当て、解説いたします。

目次[非表示]

  1. 1.人権デュー・デリジェンスとは何か?
  2. 2.IR担当者にとっての意義
  3. 3.実践ステップ:人権デュー・デリジェンスの実施方法
  4. 4.IR担当者が取るべき次のステップ
  5. 5.人権デュー・デリジェンスへの対応ならリンクコーポレイトコミュニケーションズ
  6. 6.まとめ
  7. 7.人権デュー・デリジェンスについてよくある質問

人権デュー・デリジェンスとは何か?


人権デュー・デリジェンスとは何なのでしょうか。ここでは、人権デュー・デリジェンスの基本的な概念と重要性についてご紹介します。


人権デュー・デリジェンスの基本概念


世界中の企業が直面している重要な問題の一つに、人権デュー・デリジェンスがあります。人権デュー・デリジェンスとは、企業がサプライチェーンで起こりうる人権リスクを調査・特定をして、その防止策を検討・実施し、結果を報告する一連のプロセスのことを指します。

このプロセスは、企業が自社の事業活動が人権に与える影響を理解し、そのリスクを管理するためのものです。経済産業省もガイドラインを発表しており、企業がビジネスを行い、社会的責任を果たす上で不可欠な要素となっています。

参考:経済産業省
責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料


人権デュー・デリジェンスの重要性


現代のビジネス環境では、人権への配慮は単に倫理的な問題ではなく、事業の持続可能性と成長に直結しています。人権問題に対処しない企業は、法的リスクやブランドの損傷、投資家からの信頼喪失といった重大な結果に直面する可能性があります。逆に、人権デュー・デリジェンスを適切に実施することで、企業は社会的に責任あるビジネスを展開し、長期的な成功を実現できます。


人権デュー・デリジェンスの歴史


もともと、人権は国家によって尊重・保護されるべきものとされていました。しかし、この考え方に大きな変化がもたらされたのは、2011年に国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」を承認したことによります。

参考:国際連合
ビジネスと人権に関する指導原則:国際連合「保護、尊重及び救済」枠組実施のために


この指導原則は、国家だけでなく企業にも人権を尊重する責任があると提唱し、企業の人権に対する責任を国際的な議論の中心に据えました。

この変化の背景には、企業のグローバル化が大きく影響しています。多くの企業が製品の原材料を求めたり、安価な労働力を利用するために新興国でビジネスを展開しました。しかし、これらの新興国では、しばしば人権保護が不十分であったため、強制労働や児童労働などの問題が多発しました。このような状況が、国際社会において企業の人権に対する責任を問う声を高めることになりました。

さらに、2015年に国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)や、環境、社会、企業統治(ESG)への関心の高まりは、企業の人権尊重への取り組みを推進する重要な要因となっています。これらの目標や基準は、企業が社会的および環境的な課題に積極的に取り組むことが世界的に求められており、人権はその重要な要素の1つです。


IR担当者にとっての意義


では、人権デュー・デリジェンスへの取り組みはIR担当者にとってどのような意義があるのでしょうか。ここでは、IR担当者が人権デュー・デリジェンスに取り組む意義を解説、ご紹介します。


投資家の関心の高まり


IR担当者は、企業の経済的価値だけでなく、社会的価値についてもコミュニケーションを取る必要があります。現代の投資家は、単に財務的なリターンを追求するだけでなく、企業がどのように社会的な問題に取り組み、それにより本業で利益をだしているかにも注目しています。

人権デュー・デリジェンスは、この新たな投資家の関心に応えるための重要な要素です。特にESG(環境、社会、ガバナンス)投資の流れは、企業の人権に対する取り組みを重視する傾向にあります。


企業価値とリスク管理


人権問題は、企業のリスク管理と直結しています。人権デュー・デリジェンスを通じて潜在的な問題を特定し、対処することで、企業はリスクを減少させ、投資家に安心感を与えることができます。これは、企業価値の向上にも繋がります。


実践ステップ:人権デュー・デリジェンスの実施方法


企業が人権デュー・デリジェンスを効果的に実施するためには、具体的なステップと戦略が必要です。ここでは、企業がこの重要なプロセスをどのように進めるべきかを解説、ご紹介します。


ステップ1:リスク評価の実施


最初のステップは、事業活動が関わる人権リスクの詳細な評価を行うことです。この評価には、サプライチェーン、労働慣行、製品およびサービスの提供方法など、企業活動のあらゆる側面を含め調査する必要があります。リスク評価をすることで、問題の特定と優先順位の設定を行うことができます。


ステップ2:ポリシーの策定と実施


リスク評価に基づいて、企業は人権に関するポリシーを策定し、これを実施する必要があります。このポリシーは、企業の価値観とビジョンを反映し、従業員や関連するステークホルダーに明確なガイドラインを提供するものでなければなりません。


ステップ3:チェックと報告


ポリシーの実施には、継続的なチェックと定期的な報告が必要です。企業は人権デュー・デリジェンスの取り組みを定期的に評価し、必要に応じて改善策を講じるべきです。また、透明性を確保するために、これらの取り組みと成果を公開することが重要です。


ステップ4:ステークホルダーとの対話


人権デュー・デリジェンスを実行し、継続するためには、ステークホルダーとの継続的な対話が必要です。これには、従業員、サプライヤー、地域社会、さらには影響を受ける個人やグループとの対話が含まれます。この対話を通じて、企業は人権に関する課題の深い理解を得て、適切な対策を講じることができます。


IR担当者が取るべき次のステップ


これまで、人権デュー・デリジェンスの重要性とその実践方法について詳しく解説してきました。IR担当者として、これらの知識を活用し、具体的な行動に移すためにはどのようなステップが必要かをご紹介します。


戦略的な計画の策定


IR担当者は、企業の人権デュー・デリジェンスに関する取り組みを計画し、実行する必要があります。これには、経営層との協力、社内方針の策定、関連部門との連携が必要です。戦略的な計画は、企業が人権問題に対してどのように取り組むかを明確にするための基盤となります。


投資家とのコミュニケーション強化


人権デュー・デリジェンスの取り組みを投資家に効果的に伝えることは、IRの役割の中心です。これには、定期的な報告、投資家向けプレゼンテーション、質疑応答の機会の提供などが含まれます。透明性の高いコミュニケーションは、投資家との信頼関係を築く上で不可欠です。

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継続的な教育と学習


人権デュー・デリジェンスは、常に変化している分野です。そのため、IR担当者は、最新の動向、法規制、成功事例について継続的に情報収集を行い、知識を更新する必要があります。これは、企業が人権に関連する問題に適切に対応するための基盤を強化します。


人権デュー・デリジェンスへの対応ならリンクコーポレイトコミュニケーションズ


リンクコーポレイトコミュニケーションズでは、有限会社SDGパートナーズ、および株式会社リンクアンドモチベーション モチベーションエンジニアリング研究所とともに、「人権デュー・デリジェンスデジタルサーベイ」を開発しました。
詳細の資料は、こちらからご請求いただけます。


まとめ


人権デュー・デリジェンスは、現代のビジネスにおいて避けて通れない重要な要素です。企業は、自社の活動が人権に与える影響を積極的に調査・評価し、適切な対策を講じることで社会的責任を果たすとともに、事業の長期的な成功を実現します。小規模企業から大企業に至るまで、すべての企業が人権デュー・デリジェンスを組み込むことで、より良い社会と環境を築くことが可能です。


人権デュー・デリジェンスについてよくある質問


人権デュー・デリジェンスとは具体的に何を指すのですか?


人権デュー・デリジェンスは、企業が自社の事業活動やサプライチェーンを通じて人権に与える可能性のある影響を調査することで識別、防止、軽減し、影響が発生した場合にこれを是正するプロセスです。これには、リスクの評価、ポリシーの策定、チェックシステムの実装、影響の報告、関係者との対話などが含まれます。

人権デュー・デリジェンスはどのようにして企業に利益をもたらしますか?


人権デュー・デリジェンスは、企業が社会的責任を果たし、長期的な持続可能性を確保する上で重要です。これにより、ブランドの信頼性が高まり、投資家や消費者からの信頼を得ることができます。また、法的リスクや評判リスクを減少させ、良好な労働関係を促進することにもつながります。


小規模企業でも人権デュー・デリジェンスは必要ですか?


はい、規模に関わらずすべての企業にとって人権デュー・デリジェンスは重要です。小規模企業はリソースが限られているかもしれませんが、ビジネス活動における人権への影響を理解し、適切な対策を講じることは必要です。小規模企業は、自社の規模や資源に合わせた人権デュー・デリジェンスのアプローチを採用すべきです。

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