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サステナビリティ開示の骨格、4つのピラーとは?:ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標を解説!

サステナビリティという言葉が昨今多く聞かれるようになりました。企業においても、サステナビリティに関する取り組みを開示することは重要事項となっています。しかし、サステナビリティという言葉が独り歩きをして、実際にどのような軸を持って開示すればいいのかは曖昧になっていることがあります。
本記事では、サステナビリティ開示の基本的な知識と、開示の際の軸となる考え方についてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.サステナビリティ開示の重要性と現代のIRにおける役割
  2. 2.サステナビリティとSDGs、CSRの違い
    1. 2.1.サステナビリティ(持続可能性)
    2. 2.2.SDGs(持続可能な開発目標)
    3. 2.3.CSR(企業の社会的責任)
  3. 3.サステナビリティ開示のメリット
    1. 3.1.ブランド価値と評判の向上
    2. 3.2.投資家エンゲージメントの強化
    3. 3.3.リスク管理とコンプライアンス
    4. 3.4.イノベーションとビジネスチャンス
  4. 4.サステナビリティ開示の4つの骨格
    1. 4.1.ガバナンス: 組織の基盤とサステナビリティ
    2. 4.2.戦略: サステナビリティを組織戦略に組み込む方法
    3. 4.3.リスク管理: サステナビリティリスクの識別と管理
    4. 4.4.指標と目標: 測定可能なサステナビリティ成果
  5. 5.まとめ
  6. 6.サステナビリティ開示についてよくある質問
    1. 6.1.サステナビリティ開示を行う際の主なポイントは何ですか?
    2. 6.2.サステナビリティ開示が企業にもたらすメリットは何ですか?


サステナビリティ開示の重要性と現代のIRにおける役割


サステナビリティ、または持続可能性は、現代ビジネスの中心的なテーマの一つとなっています。企業活動が環境、社会、経済に与える影響を考慮し、これらの要素をバランス良く統合することが、長期的な成功への鍵です。特に、IR担当者にとって、サステナビリティ開示は、企業の透明性を高め、信頼と投資価値を構築する重要な手段となります。

サステナビリティ開示は、組織がどのように社会的責任を果たし、環境保護に努め、経済的に持続可能な経営を行っているかを明らかにするプロセスです。これは、ステークホルダー、特に投資家に対して、企業の持続可能性に対するコミットメントと実践を伝えるためのものです。

サステナビリティとSDGs、CSRの違い



サステナビリティ(持続可能性)、SDGs(持続可能な開発目標)、CSR(企業の社会的責任)は、しばしば関連する概念として扱われますが、それぞれに特有の意味と焦点があります。


サステナビリティ(持続可能性)



サステナビリティは、長期的な視点で環境、社会、経済のバランスを保ちながら発展を達成することを目指す概念です。これは、現在のニーズを満たしながら、将来世代のニーズを損なわないように資源を利用することを目的としています。また、サステナビリティの考え方は企業活動だけでなく、政策立案、コミュニティ開発、個人のライフスタイルにも浸透しつつあります。

SDGs(持続可能な開発目標)


SDGsは、2015年に国連によって採択された、2030年までの国際社会の共通目標です。17の目標と169のターゲットから構成され、貧困の撲滅、品質の高い教育の普及、気候変動への対策など、広範な社会的、環境的課題に取り組むことを目的としています。SDGsは、国際社会全体で共有される目標であり、政府、企業、市民社会が協力して達成を目指すものです。

CSR(企業の社会的責任)


CSRは、しばしば「社会的責任」と訳され、企業が自ら責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことを求める考え方です。これには、環境保護、公正な労働慣行、コミュニティへの貢献などが含まれます。CSRは、企業の評判やブランド価値を向上させると同時に、リスク管理や新たなビジネスチャンスの創出にも影響します。

サステナビリティ開示のメリット



サステナビリティ開示を行う企業が享受できるメリットは多岐にわたります。ここでは、その主要なメリットを4つの項目に分けて詳細に説明します。

ブランド価値と評判の向上



サステナビリティ開示を行うことで、企業は自らのブランド価値と市場での評判を大きく向上させることができます。

消費者、特に環境や社会問題に敏感な顧客層は、サステナビリティに配慮した企業に対して強い好感を持ちます。また、透明性の高いコミュニケーションは、顧客やステークホルダーの信頼を深め、長期的なステークホルダーエンゲージメントの構築に貢献します。これは、企業のポジティブなイメージを強化し、競合他社との差別化を促進する要因となります。

投資家エンゲージメントの強化


サステナビリティ開示は、投資家とのエンゲージメントを強化し、資金調達の機会を拡大します。多くの投資家や資金提供者は、サステナビリティ開示を積極的に行う企業に投資することを好み、そのような企業はリスクが低いと見なされます。

明確なサステナビリティ開示は、企業のリスク管理能力と長期的な持続可能性へのコミットメントを示すため、投資家からの信頼を得やすくなります。これにより、資金調達のコストを低減し、より有利な投資条件を確保することが可能になります。

リスク管理とコンプライアンス


サステナビリティ開示により、企業は自身が直面する環境的、社会的リスクを効果的に管理できます。持続可能なビジネスモデルへの移行は、気候変動や資源の枯渇などの環境リスク、労働環境や人権問題といった社会的リスクに対する企業の対応力を高めます。

また、サステナビリティに関する法規制が世界的に強化される中、適切な開示は法的コンプライアンスを保証し、潜在的な法的な問題や罰金リスクを軽減します。

イノベーションとビジネスチャンス


サステナビリティ開示は、新しいビジネスチャンスの創出とイノベーションを促進します。環境や社会に対する責任を認識し、それをビジネス戦略に統合することは、新しい製品やサービスの開発、持続可能な供給チェーンの構築、効率的な資源利用など、様々なイノベーションを生み出します。

これにより、企業は新しい顧客層を獲得し、市場での競争力を強化できるだけでなく、持続可能な経済の推進者としての役割も果たすことができます。

サステナビリティ開示の4つの骨格


サステナビリティ開示には、多様なフレームワークや方法があります。しかし、共通して、サステナビリティを開示するためには、その骨格となるものが整っている必要があります。ここでは、サステナビリティ開示の骨格である、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」についてご紹介します。

ガバナンス: 組織の基盤とサステナビリティ



サステナビリティの取り組みは、強固なガバナンス構造から始まります。これは、企業の倫理、透明性、責任を確立し、持続可能なビジネスモデルを支える基盤となります。サステナビリティに関わる意思決定プロセス、リスク管理、そして目標設定は、全て組織のガバナンスの枠組みの中で行われます。つまり、該当のサスティナビリティに関する取り組みについて、体制や管轄部署・管掌役員などを開示することが重要となります。

例えば、サステナビリティ委員会を設置し、環境と社会への影響を考慮した戦略的決定を行うというようなアプローチにより、企業はサステナビリティの課題を組織全体で共有し、これらに対処するための統一された戦略を有することができます。

戦略: サステナビリティを組織戦略に組み込む方法


サステナビリティの取り組みを成功させるためには、これを組織全体の戦略に組み込むことが不可欠です。これには、短期的な利益を超えた長期的なビジョンの確立が含まれます。企業は、環境的な持続可能性だけでなく、社会的責任と経済的な効率性を考慮した戦略を策定する必要があります。

例えば、サステナビリティを核としたビジネスモデルを採用し、環境への影響を最小限に抑えつつ、社会的責任を果たすことが挙げられます。このアプローチにより、長期的な顧客関係を築き、ブランドの信頼性を高めることができるでしょう。

リスク管理: サステナビリティリスクの識別と管理


サステイナビリティに関わるリスクは多岐にわたります。これには、気候変動、資源の枯渇、社会的不平等など、直接的またはサプライチェーンを含めた間接的な要因が多く含まれます。効果的なリスク管理のためには、これらの要因を特定・評価し、適切な対応策を講じることが必要です。

例えば、気候変動に関連するリスクを特定し、これに対応するための戦略を立案することが挙げられます。これには、排出削減目標の設定や、再生可能エネルギーへの投資が含まれます。

指標と目標: 測定可能なサステナビリティ成果


サステナビリティの取り組みを評価するためには、具体的な指標と目標が必要です。これにより、組織は進捗を確認し、必要に応じて軌道修正することができます。指標設計の際には、環境、社会、経済の各側面を網羅し、定量的な測定が可能であることが求められます。

例えば、廃棄物削減、エネルギー効率の向上、社員の多様性と包括性の促進など、多様なサステナビリティ目標を設定することが挙げられます。これらの目標は、定期的なレビューと報告により、社内外に透明性を保ちつつPDCAを回すことができるようにすると、こうかを発揮します。

▼サステナビリティ開示のフレームワークについてはこちら

  サスティナビリティ開示の「フレームワーク」ガイド:IIRC、GRI、SASBの違いは?”アルファベットスープ”を解説! 統合報告書やサステナビリティレポートの作成は、上場企業において重要な役割を果たしています。このレポートは、企業が持続可能性への取り組みをどのように実施し、進展させているかを示すものです。レポート作成のプロセスは、組織の透明性を高め、ステークホルダーとの信頼関係を構築する重要なステップとなります。しかし、現在多くのフレームワークがあり、それらがアルファベットの略称で呼ばれることも多いため、”アルファベットスープ”と呼ばれることもあります。本記事では、サステナビリティ開示のフレームワークを整理するとともに、効果的な統合報告書・サステナビリティレポートを作成するための5つの主要なステップなどをご紹介します。 株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズ


まとめ


サステナビリティは、単なる綺麗事ではなく、企業が長期的に存続・発展できるかを左右する重要な事項であることを改めてお伝えしておきます。多様なステークホルダーから選ばれ続ける存在になるためには、サステナビリティ開示を表面的なものではなく、しっかりと骨格を持って実行することが大切です。


サステナビリティ開示についてよくある質問

サステナビリティ開示を行う際の主なポイントは何ですか?


サステナビリティ開示を行う際の主なポイントには、以下が含まれます。

まず、環境への影響、社会的責任、経済的持続可能性の3つの主要領域に焦点を当てることが重要です。

次に、開示内容は透明で正確でなければなりません。これには、具体的なデータ、目標、達成状況の報告が含まれます。また、持続可能性戦略と組織の全体的なビジョンやミッションとの整合性を示すことが求められます。

最後に、定期的な報告とステークホルダーとのコミュニケーションが重要で、これにより信頼性と企業の責任を示すことができます。


サステナビリティ開示が企業にもたらすメリットは何ですか?


サステナビリティ開示が企業にもたらす主なメリットには、ブランド価値の向上、投資家関係の強化、リスク管理の改善、新しいビジネスチャンスの創出が含まれます。透明性のある開示は企業の信頼性を高め、消費者や投資家からの支持を得やすくなります。

また、サステナビリティへの取り組みは、リスクの低減に寄与し、法規制への適応を容易にします。さらに、持続可能性に基づいたイノベーションは、新しい市場や顧客層へのアクセスを提供し、長期的なビジネス成長を促進します。


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